日曜に出会う、すてきな親子
日曜の朝、信徒でもないのに礼拝に行く教会で、すてきな親子と出会いました。
二十八歳の息子さんはダウン症とのことです。お話をしている光景を見たことはありません。時々、母親の髪をなでている息子さん。それを静かに受けている母親。何とも言えない温かさが漂っています。
息子さんに報酬を得る喜びを教えたいと、十数年、二人で夕刊配達をしているそうです。大雨の日、母親一人で配達に出かけると、途中、雨着に着替えた息子さんが顔を出し、後は一緒に配達したと言います。
二人の歩みに頭が下がります。さらに、報酬をためてタイの田舎に小学校を贈り、昨年は現地を訪れたとの話に、なお深く頭が下がります。
障害者を見かけると、本人も周りの方も大変だろうなと思っていました。六年前に亡くなった兄が、不自由な左足を気に病んで生きていたからです。
偏見や差別に立ち向かうのがどれほどのものか。心の深くまで想像できません。
もしかしたら、そのことが一番つらいことではないかと思うのです。
でも、この親子は幸せに見えます。私まで幸せに思えるのはなぜでしょう。
五十嵐容子 : 著 : 「日曜に出会う、すてきな親子」 : 「愛に抱かれて」 : 朝日新聞社
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